カテゴリー「保育についてのあれやこれ。」の8件の記事

2015-12-02

保育ドキュメンテーションについて感じること。

あくまでも、僕のいち保育士としての私見ですので、
どうぞ、ご立腹されるような方は、スルーしてください。

最近、保育業界で話題の「ドキュメンテーション」
僕も専門的に学んだ人間ではありませんが、
少なくとも、業界ではかなり話題にあがることが
多くなり、学生さんの耳にも入るレベルになってきた
と感じます。

色々たどっていくと、やはり
レッジョ・エミリア・アプローチの中から
派生した一つの手法のようです。

発達記録ではなく、子どもの会話、子どもと保育者の会話
などの実践の記録であること。

そして、その過程を掲示、見える化することで
保育者だけでなく、保護者や子どもと共に
振り返りになるということ。

見える化するために、
写真や動画、録音などをを記録媒体の一部とすること。
(もちろんそこには文字も加わります)

保育者のPDCAサイクルにも繋がっていく。

保育者と保護者が子どもを中心に同じ喜びを
分かち合える。

私が得た情報、学んだ範囲ではこんな風に理解しています。


そして、私の周りでは、主に「写真を中心とした」
ドキュメンテーションが増えていると感じています。

ドキュメンテーションそのものは、写真である必要性は
ないはずですが、僕の得ている情報媒体の中では、
とても目立ちます。

つまり、ドキュメンテーション=写真記録 と
学生さんが感じても、仕方がないくらいになっている
と思います。

良いドキュメンテーションを作るために、
どうやって良い写真を撮るのか。
そんな研修まであるようです。

さて。
ここで、僕は大きな違和感を抱くのです。

「いったい誰が写真を撮るのだ」

ということです。

ここで3つの例をあげて、違和感を列挙してみます。

①保育者自身
一番、子どもがイキイキとして、子どもの目線が活きる
いい写真が撮れることでしょう。

しかし、僕も素人ですが、自称カメラマンです。
ファインダーを覗いている瞬間、モニターで撮ろうとしている
その瞬間。確実に、他の子は見えなくなります。

そして、もう一つ。
大好きな自分のクラスの先生が、他の子を写真に撮っている姿。
それを見たら、その子はどのように感じるでしょうか。
答えは2つに一つです。
 A.自分を撮ってくれないんだ。
 B.撮ってもらえるようにがんばろう。
こうなると思うのです。

保育者は、どんな時でも1点を凝視してはいけない仕事です。
誰か一人を真剣に叱っているときでも、残りの子たちの
安全を守れることが、僕たち保育者の役割であり、
プロである所以です。

そういう意味では、保育者自身が「写真を撮ることに
一生懸命になること」は、ナンセンスだと感じます。

②クラス担任以外の園内の人。
例えば、園長先生、フリーの先生、例えば事務の方。
遠くから、超望遠レンズで撮っていれば、①のようなことは
ないでしょう。
しかし、そんな遠くで撮って、子どもたちの様子は
分かるでしょうか。

前後の保育者とのやり取りが伝わるでしょうか。

僕は難しいと感じます。

なので、やっぱり近くで撮ることになると思うのです。
子どものいい姿を見つけに必死に動き回ることでしょう。

それで結果的にいいドキュメンテーションが作れた
としましょう。

さて。その為に費やした時間と労力は、どれほどでしょう。
同じ時間をかけて、園庭環境を良くしたり、
子どもとゆっくりお話できる時間が削られてないでしょうか。

そしてもう一つ。
今の保育現場には、人が足りません。
都市部では特に、絶対的な人員不足です。
そんな人的な余裕があれば、乳児クラスのお手伝いを
してあげることの方が、優先度が高いのでは。と思います。

③園外の方
これは、もしかしたら、一番ベストなのかも知れません。
でも、そんな金銭的余裕は園にあるでしょうか。
プロのカメラマンが撮ってくれた写真と、
保育の会話の記録はどうリンクするのだろう。
そんな風に思います。

こういう風に考えると、やっぱり「写真を中心とした
ドキュメンテーション」って、どうも違和感を感じるのです。

そして、その

「写真を中心としたドキュメンテーション」
を、

「外部に向けて発信すること」
は、もっと違和感を感じます。


誰のためのドキュメンテーションなのか。


色々読ませて頂いたり、情報を頂いていますが、
未だに僕のこの「違和感」を解決してくれる
答えが見つかりません。

もちろん、意味のあることでしょう。
記録の取り方としてもいいアプローチだとも感じます。
そして、ドキュメンテーションそのものを
決して批判や、否定をしているわけではありません。

ただ、違和感を感じるのです。
自分の感覚として、保育観として。

今の保育現場にはもっともっと優先度の高い
ことがあるような気がしてならないのです。

僕の勉強不足なのでしょうか。

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2015-08-26

保育者向け 逆上がり指導のポイント

KONAMIが逆上がりのやり方講座をYoutubeにUpしていました。
せっかくの機会なので、この動画を使って、
保育者向けの逆上がり指導のコツを伝授します!!

まずはこちらの動画をご覧下さい。

さすがに美しい逆上がりです。

でも、保育園で実践するには、もう少しポイントが必要です。

<準備段階>
そもそも、逆上がりを始めるにあたり、上腕の筋力と振り上げるための
十分な腹筋が備わっているか。そこを見極める必要があります。

概ね、年中後半~年長であればいけると思いますが、
最近の子どもたちは筋力低下もあるので、注意が必要です。

鍛えることと同時にチェックできる方法としては
鉄棒で「豚の丸焼き」姿勢です。

この時、腕で身体全体を鉄棒にひきつける→上腕筋
顔はあごをあげずに、足下やおへそを見る→腹筋

「おでこを鉄棒につける」という表現が分かりやすいと思います。

この姿勢で10秒保つことができるようになっていれば、
逆上がりに必要な筋肉は十分です。

逆にいえば、いきなり始めるのではなく、この豚の丸焼き姿勢を
楽しみながら、10秒できるようになることから始めるといいと思います。


さて、逆上がりの仕方ですが、概ね動画の通りですが、
指導法として、いくつかポイントを追加します。

<持ち手の向き>
最初は上腕二頭筋(力こぶの入る方)
を使いやすいために逆手をオススメします。
ある程度からだが上がるようになってきて、
最後の上体を起こす段階では、順手の方が楽です。

<軸足の位置>
実はここが一番大切なポイントであります。
軸足(振り上げ足の反対)が、鉄棒より前にあることです。

子どもたちには、
「おへそも鉄棒の前に」と伝えると、自然と
身体が鉄棒に近づきます。

ヨコから見た時に、へそ・ひざ・腰・足の4点が
鉄棒より前に出ていることが一番大切な形です。

この姿勢から、蹴り上げを始めます。助走はいりません。
動画1:32の姿勢が良いです。逆手にすれば、
もっと身体が鉄棒に近づき、腰も膝も足も前に出ます。

<振り上げの方向>
動画内にもありますが、力のベクトルが
前に行くと、絶対に上がりません。
鉄棒の真上に補助者が手やボールを置いて、それを
オーバーヘッドキックで蹴るイメージが効果的です。

動画の子どもの失敗例のように、助走をつけるのは
大きな逆効果となります。

蹴り上げた足を、すぐに軸足が追いかけるイメージです。

<顔の向き>
子どもは一生懸命蹴り上げようとすると、顔が
上を向き、あごがあがってしまいます。

すると、腹筋が伸びてしまい、せっかく振り上げた力が
逃げてしまいます。

脚が鉄棒にかかるまで、しっかり「おへそ」を見ているように
伝えましょう。

すると、自然と腹筋にも力が入り、振り上げがしやすくなります。
色々な補助の仕方がありますが、
脚立や補助板はあまり使わない方向がいいと思います。
入れるとすれば、軸足にブロックを置いたりして、少し
高くする程度でいいと思います。

本人が地面を蹴る力と、その方向さえ間違えなければ、
できるようになるはずです。


逆上がりの指導は、年長さんだとやっているところが
多いと思いますが、ただただ根性論指導が多く見受けられます。

逆上がりは物理的に見れば、多くの筋力は必要ありません。
構造を指導者が理解して、適切に指導をすることが大切です。

ぜひ、動画と合わせて、ポイントを確認して指導してみてください。

以上、たまには保育のワンポイント講座でした。

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2015-06-01

違和感の正体

ひさしぶりに、保育に関することを書いてみます。

今日は、いつもお世話になっている師匠の主催する
「つながり遊び・まっちゃん」の講習会に参加してきました。

楽しく、心の温かくなる遊びを通して、まっちゃんこと
町田浩志さんは、子どもたちに関わる僕たち保育士に
たくさんのメッセージを託してくれました。

その中で、僕の心にグッときたこと。

それは、ある「違和感」がクリアになったことです。


実は、今までの生活の中で、初対面の方などに
仕事のことや、「保育士」であること。
そんなことを伝えると、決まって返ってくるのは
この言葉でした。

「子どもが好きなんですね」

僕は、いつもこの言葉を浴びるたびに、「違和感」を
感じるとともに、どこか保育士をバカにされているような気持ちも
持つような感覚もありました。

いや、確かに好きは好きなんですよ。かわいいし。
でもなんか違う。

実習生と話していても、保育士を志したきっかけが
「子どもが好き」とききます。

でも、なんで保育士になりたいのか?と聞いた時に、
「子どもが好きだから」と聞くと、ちょっと心配になったりします。


言葉あそびかも知れないのですが、
この「子どもが好き」という言葉はいつもどこかでひっかかりがありました。


今日、町田さんがこんな言葉を教えてくれました。

「子どものことを不思議だなーって感じる、子どもに対する好奇心」
そうそう。これこれ!!って思いました。

もしかしたら、好奇心は、探求心という言葉に置き換えてもいいかも
しれません。

保育士の仕事って、「子どもが好き」だけで単純に務まる仕事では
ありません。むしろ、その「好き」が、苦しみや辛さを覚える時もあります。

「好き」だけでは片付かない、プロとしての仕事もあります。

でも、この仕事が一生の仕事になること、
この仕事に、一生をかけて誇りをもって仕事をすること。

それには、「子どもに対する、あくなき好奇心と探求心」があるから。
なのだと思います。

そして、子どもたちはその気持ちに応えてくれます。
様々な形で。全然違う形で。

だから、この仕事はやめられないし、答えや正解がないし、
そして終わりがないのです。

これからも、子どもたちの不思議に全力で挑んでいきたいものです。


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2014-11-10

光かがやく「ことば」

松居直さん。
福音館の創設者の一人であり、
「こどものとも」の初代編集長。

88歳というお歳とは思えない、
力強く、インパクトのある講演を
きくことができました。

一番最初に
「絵本は、子どもに読ませる本ではありません。
 大人が子どもに読んであげるのが絵本です」と。
これぞ、こどものともの原点なのだろうなと感じました。

青春時代が戦中であった経験。
ご兄弟が戦死をされた経験。
そんな経験も、今に繋がっている。

松居さんにとって、絵本は「いのち」であり
「ことば」なのだと。

そして、僕たち保育士も、子どもたちに
絵本を通して何を伝えていけるのか。
そんなことを強く感じた講演でした。

松居さんが、この言葉に出会ったとき、
「からだが光に包まれた」と
表現をされた、聖書の一節。

Img_20141110_231209

福音館の絵本には、光輝く「ことば」が
豊かにちりばめられているのだと思います。

大正最後の歳に生まれ、激動の時代を
生き抜いてきて、日本の絵本文化の礎を
築いた方。

僕たち保育士もそのバトンを引き継いで
いきたいものです。


すいません。半年ぶりの更新です。
また、チョコチョコがんばります。

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2014-04-19

子どもの居る場所

まちの背守り保育 
じいじとばあばの宝物 本庄のおうち

K5d_0296

埼玉県は本庄市。
埼玉の北端。ほぼ群馬に位置するこの街で、学童保育を
やっている大切な仲間がいます。

かれは、地元、本庄の街に空き家を見つけ、
地域のじいじ、ばあばの力を、存分に借りて、学童保育を
始めてしまいました。

ま。ここまで書けば、割と最近よくある話。

でも、自分のイメージをはるかに超える「場」がここには存在しました。

築45年近い民家。
ここを改修した部屋には、暖かみがあふれていました。

K5d_0269

ちょうど、今日はいつも世話になっているばあばが
おやつを届けてくれたそうです。
おいなりさん。おはぎ。そして赤飯おにぎり。
5個づつあったものを子どもたち同士相談やじゃんけんで
分け合っていました。

K5d_0276

今日は、2年生が2人。あとは1年生が15人。
僕にとっては懐かしい感じ。
ついこの間まで関わっていた年長さんたちと同じ歳だと
思うとかわいくてかわいくて。
泊まり明けなのに、ついつい楽しく遊んでしまいました。

この和室には、なんと三間もある、大きな窓があり、
そこはまるで縁側のよう。
そこから、でかいでかい庭に直接出られます。

縁側から。
K5d_0290

一応玄関はあるのだけど、ほとんどの子が
縁側から直接出入りをしていました。
少々の雨だって子どもたちには関係ありませんさ。

K5d_0307

何より僕の心をわしづかみしたのが、この庭。
ここは、大昔はすごく立派な日本庭園だったようで、
庭全体に高低差がいっぱい。
地面自体がうねっているし、木の根っこや石もごろごろ。

その地面自体の高低差に加えて。これ。

K5d_0302_2

K5d_0309

もちろん、誰も止める人はいません。
椿の木だって、梅の木だって、雨に濡れたさるすべりの木だって。
子どもたちは、自分で判断して登ります。

実は、この1年生たち、全員この4月からの新入生。
やっぱり、最初はみんな、「登っていい??」とか「登れない」という
子がたくさんいたそうです。
でも、たった、3週間過ぎた今日。
そんな雰囲気は一切感じない「自己判断」の空気が流れていました。
梅の木は登れるけど、さるすべりはまだ登れない。
そんな子がいるそうです。

今日は、シトシトと雨が降っていましたが、ほとんどの子が
庭で遊んでいました。
でも、全員が一斉ではないのです。

遊びたいときに、遊びたい人が、遊びたい人と。
そう、きままに。

さすがに僕が行ったときは、みんなワーッと大興奮でしたが
ひとしきり遊ぶと、みんなそれぞれの場所で、
過ごしたいように過ごし始めるのです。

そう、それはまるで家のように。

ドタバタと走り回っている子の足下で、
ひらがなの練習をしている子もいました。

おやつを終えると、走り出す子もいれば
お皿を洗う子もいるのです。

一人一人が安心して過ごせる場所と時間が保証されている。

よく、安直に「子どもの居場所づくり」なんて言うけど。
僕はそうそう簡単なことではないと思っています。

でも、ここにはそんな空気が流れていました。

居場所づくりって、「居場所」を作るのではなく、
心を安心させて居てもいい空間と時間、
そして「空気」を作り出すことなんだと
今日感じることが出来ました。

縁側から、庭に響く子どもたちの声を聞いていると、
ちょっと涙が出そうになってしまいました。

だって、子どもたちが本当に豊かな顔をしているのですから。

玄関に置いてあった木彫りのドラえもん。

K5d_0297

建物も、雰囲気もとっても古いのだけど、
この場所には、ドラえもんもびっくりするくらいの
未来型の子どもたちの居場所な気がします。

子どもたちの笑顔を中心に、地域のシニアが力を貸してくれる。
それを地域が支える。

まるで、廃屋のようになっていて、庭は手がつけられないほどに
うっそうとなっていたのを、本当に無償のじいじとばあばのち力で
ここまで再生させたそうです。
そして、建物も見違えるほどの状態になったそう。


こんな、素敵な場所を作った男。
いや、こんな素敵な場所を、多くの人と善意を巻き込んで
作り上げた男。
彼の名は、飯島紳太郞さん。
多分、僕は彼と一生関わっていくことになりそうです。

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この写真。子どもが撮ってくれました。

今日はありがとう。おじゃましました。
また遊びに行かせもらいます。


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2013-11-20

保育士~実習生の受け入れについて

<保育士~実習生の受け入れについて>

最近思うことシリーズ第3弾。また長いっす。。
興味ない人はスルーしてね。

保育園には毎年、実習生がやってきます。
いわば、保育士の卵。私たちの後輩にあたる子たちです。

短大・大学の課程によっても違いますが、概ね
1回につき2週間から3週間程度の実習期間があり、
その中では、ただ様子を見るだけという、
「見学実習・観察実習」これは、
短大1年 あるいは大学2年が主です。

そして、一日・あるいは数時間のコマを実習生が指導する
「指導実習・責任実習」があります。
こちらは、短大なら2年。大学なら3年生か4年生です。

さて、Twitterの学生さんを見ていると、この実習期間。
苦しい、辛い、やめたい、逃げ出したい。なんてツイートを
よく見かけます。
もちろん、前向きでがんばっている実習生もたくさんいますが。

でも、この実習生に対して、辛く、厳しく
(時には罵声を浴びせかけ)指導する保育士って
実は少なくありません。

僕の肌感覚ですが、こっちの方が多い気がします。
大体7:3くらいの感覚。

この方たちは異口同音にこんなことを言うようです。
「甘い」
「あいさつできない」
「何しにきたんだ」
「自分で考えろ」
あげくの果てには。
「保育士向いてない」
「これだから若いもんは」
「さすがゆとり世代」

とか言われてしまうようです。

ひとつ、大きな課題が保育園側にあります。
それは
「実習生の指導方法についての体系だった指針がない」
ということです。
もしかすると、園長先生のリーダーシップがある園などは
しっかり組み立てているところもあるかも知れませんが、
そうではないところがほとんどです。

するとどうなるか。

実習生の指導が、
「たった一人の担当保育士の感覚に委ねられる」
ということになるのです。

実習生が保育園実習をする機会は概ね在学中に2回。
幼保両方の資格が取れる学校でも3~4回程度でしょう。

つまり、あたった先生の運次第。

いい先生に巡り会えれば儲けもの。
実習生いびりが趣味のような先生にあたれば、おしまい。

こんな感じです。

で。この厳しく、いや、いびるような指導をする先生が
よく言う言葉。「私の時はもっと厳しかった」。

そんなことは、知ったことかっ!! って突っ込みたくなりますが、
往々にしてあるのです。
僕はこれを、「実習生いびりの負の連鎖」と感じています。
甲子園を目指す野球部で起こる、先輩後輩の体罰事件と同じ構図です。

あくまでも私見ですが、僕は現代の保育士不足の要員のひとつに、
潜在的にあるのではないかと思っています。

これは養成校の先生方もかなり感じている方が多いようです。
「実習で生徒がつぶされて帰ってくる」と。

そして、もう一つ、現場の保育士が口にすること。

「ゆとり世代」

もう平成生まれの学生たちにとっては、一番聞きたくない言葉でしょう。
ある意味背負わされた十字架のようなモノです。

本来、僕はこの「ゆとり世代」を作ったのは我々上の世代の責任です。
そして、若者にきちんと対峙してこなかった責任逃れの言葉だと思っています。

「ゆとり世代」と感じるならば、彼らに分かる言葉で、
伝わるやり方で、工夫をして指導を考え、
教え育てていくことが私たち保育士側に求められるべきです。

よく、実習生に対して、責任実習の中身や言葉がけが、
「子どもに合ってない」とか言います。
かくいう保育士は学生さんに合った言葉がけができているのでしょうか。

今の学生さんたち。
全体的な印象を思いっきり平たくして、端的に言うならば
「とってもまじめで勤勉。しかし打たれ弱い」
僕はそう感じています。
だから、僕は彼らに届くような言葉を選び工夫しています。

もうひとつの課題。
それは、この現状を打破するのが誰なのか?という問題です。

養成校側はこの「実習で学生がつぶされる」という問題意識は
少なからずあるようです。
しかし、養成校は実習園に対して、「お願い」をして
「受け入れてもらっている」立場。

「うちの学生つぶさないで」「弱っちいけど大目に見て育ててやって」
なーんて言えるわけがありません。

分かりやすい例をあげましょう。
養成校は、実習園に菓子折を持ってきます。
養成校は、実習園に図書券を持ってきたります。

こういう力関係なのです。

「じゃあうちは受け入れません」と実習園に言われたらおしまいです。

やっぱり、私たち現場の人間が変えていくしかないんですよね。。
僕は本来は、この力関係は逆だと思います。

「大切な後輩たちを育てて送り届けてくれてありがとう」ですよ。

少なくとも、お預かりした実習生が、「保育」という仕事に向けて
前向きに精進したくなるような指導をするべきなのです。

保育士向いてない。とか、言語道断です。

僕が学生に指導すること。3つ。
 ・朝も帰りも、全ての同僚にあいさつをしよう。
 ・保護者が入ってくる入り口には背を向けない。
 ・自分から「先に」あいさつをしよう。
これだけ。

肝心要は「対大人コミュニケーションスキル」だと思っています。
ここが今の学生のちょっと弱いところ。
そこをきちんと育ててあげること。僕ら保育士に課せられた使命
だと思っています。

実習生が保育士を目指さなくなったら。
5年後、10年後。苦しむのは僕たち現役の保育士ですから。
僕らの宝を大切に育て上げましょうよ。


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2013-11-17

保育士に必要なスキル。

<保育士~今日もふと思ふ>
※長編になってしまいました。長いよ。。

保育士資格をとって、14年。
回り道をして、保育士として保育園で働くようになって
6年が経とうとしています。

この仕事について、痛感したこと。
それは、30歳近くになってから入って良かったなと。

保育士は、「子どもと遊ぶのが仕事」
まあ、社会一般の方々の常識でしょう。
そして、残念ながら保育士を志す多くの学生も
同じ事を思っています。

確かに一義的には、直接関わるのは、子どもたち。
でも、その子どもたちとの関係作りの前に、
保護者との信頼関係が構築できなければ
どんなに素敵でいい保育をしていても伝わらないのです。

では、素晴らしく子どもに対応できる先生が
いるとしましょう。
でも、保護者に対しては、タメ口を使ってみたり、
子どもが怪我をした時に、笑顔で「すいませんでした~」
なんて話してしまう保育士さん。

多分、保護者の評判は悪くなり、
保育士として働きづらい環境になってくるでしょう。

保育士って、クライアントは保護者なのです。

こういうと語弊があるかも知れませんが、
保育料を払い、子どもを毎日送迎しているのは
保護者です。
そういう意味では、クライアントというとらえ方を
しても、そう間違いではないと思います。

もちろん、保育の質。子どもをみるプロの目。
保育者としての専門性。
それは大前提です。

<その上で!>いち社会人として、保護者と対応できるか。
これは、保育士に求められる大きくて大切なスキルだと
思います。
若さや経験は別問題です。

僕が、30歳近くでよかったと書いたのは、
それ相当の年齢であるだけで、保護者と年齢も近く
なりますし、年齢だけである程度信頼感が出るもの
なのです。(もちろん基礎的な社会人スキルは必要です)
そして、回り道をしてきたおかげで、社会人としての
スキルを身につけてこれたのです。

逆を言えば、20歳そこそこで、保育士となり
保護者から信頼感を得るためには、相当の努力が
必要なのだと思います。

さて、保育士の方は思い浮かべて見てください。

保育士の養成課程において、保護者対応を学んだ
経験はありますか?
多分、皆無に等しいと思います。

そして、この保護者対応が大切なことの裏には
もうひとつ大切なことが潜んでいます。

つまり、「対大人とのコミュニケーションスキル」
なのです。

保護者対応がとても上手な人は、
多分、同僚との関係もうまくいっているはずです。

よく、就職後、職場の人間関係がうまくいかなくて
離職したって事例は8割方この問題を少なからず
はらんでいると思います。

最近の実習生を見ていると、この辺りの課題を
抱えている学生が多いです。

子どもへの接し方、保育スキルは素晴らしいのに。
・自分から自己紹介をしない。
・大人と目があわない。
・すぐいいわけをする。
・挨拶をしないで帰る。
・実習日誌を片手で渡す。
・タメ口で話す(敬語が使えない)

すごくもったいないわけです。

(ま、そもそも、実習担当の養成校の先生が
対大人のコミュニケーションが低かったりしますが。。。)

これは多分、学校の先生の養成課程でも同様のことが
言えると思います。

保育園(学校)は、高い専門性を求められる職場。
一方でその職場は一般社会と隔離された閉鎖された場なのです。
しかし、そこに通ってくるクライアントは、社会の最前線で
バリバリと働いているビジネスマンなのです。

僕が全ての実習生に必ず指導するのは3つだけ。

・保護者の入り口には、背を向けない。
・保護者にも同僚にも、自分から「先に」挨拶をする。
・朝も、帰りも、全ての先生に挨拶をする。

さて。この3つ。
養成校では指導されていますか?
保育士の皆さんは実践できていますか?
保育園の同僚はこれができていますか?

回り道をしてきた保育士だからこそ気になる
ところなのです。

多分ですが。
保育園を学校。
保育士を教諭。
と置き換えても同様の事が
言えると思います。

最後まで読んでもらって感謝です。

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2013-11-16

保育士という資格と仕事

<保育士>
一般の人は、保育園で働いている人のことを思い浮かべると
思うし、僕ら保育の現場で働いている大多数の人も
同じことを思っています。
でも、保育士とは、厚生労働省の定めた国家資格であり、
保育士資格を持っている人は、児童福祉法で規定された
児童福祉施設で働くことができます。

あ、いや。
突然何を言いたいかっていうと、保育士資格=保育園就職
ではないってこと。

学校の先生も然り。

大学の授業や学部の中で考えると、
子どもに関わる資格って、
・保育士
・幼稚園教諭
・小中高などの各科目教諭
ホントこれだけ。

そして、大学生の就職先は必然的に
・保育士→保育園
・幼稚園教諭→幼稚園
・教諭→各分野別に学校へ

大学生の視点から見るとこれしか選択肢がないように
見えるんですよね。

でもね、僕の周りには多くの形で子どもに関わり
仕事をしている人がいる。

・埼玉の田舎で地域のチカラを借りて学童をしている人
・千葉で、学童と学習塾を融合した学び場をつくっている人
・東京のNPOで学校のキャリア教育を支援している人
・自分で母と社労士をしながら保育園をつくってしまった人
・千葉で家族と小さな保育園を経営している人
・ショッピングセンターの託児所で所長さんしている人
・学校の先生やめて、世界を放浪している人
・群馬で森のようちえんをやっている人
・清里で子どもの写真を撮っている人
・高校の先生から、保育の安全を追う、ジャーナリストしている人
・学童の指導員から、自宅で遊び塾を主宰している人
・小さい頃からの夢を叶えた、小児外科医

確かに資格は必要かもしれない。
社会一般的に安心感にもつながるから。
でも、その資格と仕事は直結ではなく、もっと広い
可能性や広い世界があるんだよってことを
学生さんに教えてあげたい。

とかく、保育士不足と低賃金と労働環境。
小学校の教諭の残業の多さとストレスの多さ。

そんなことで挫折する人も少なくない。
むしろ、社会に出る前にあきらめて、一般企業に
就職してしまうなんて話も聞く。

でも、子どもに関わる仕事って、やっぱり夢があって
希望があって、そして色々な関わり方があるってことを
是非学生さんに伝えたい。

かくいう僕も、保育士資格をとりながら、その
経歴のスタートは、東京都教育庁管轄のろう学校に
付随する、寄宿舎の指導員だった。

そして、キャンプ屋さんに。

今は保育士だけどさ。
そんな色々な人たちと、保育士さんと学生さん達を繋げて
広げていきたいなって、最近強く思うのです。

本当は、保育とか教育とか、医学とか野外とか、
社会教育とか、地域とか、
そんな枠を全部飛び越えて、横断して
「子どもに関わる全ての人」を対象に
繋がりを広められるような、場作りをしていきたいな~
って思っています。


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