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2010-01-23

人生最高の写真。

自分の中で目標としている写真が一枚あります。

それがこの写真。
Thaichild1

僕の撮った写真の中で、未だにこれを超える写真は撮れていません。

これを撮ったのは、1999年の2月。
タイで知り合った子どもたちの写真です。

ちょうど就職浪人を1年している頃。
半年間の非常勤職員の任期を終えて、退職金を握りしめ、
タイに旅立ちました。

今考えてもなかなか無鉄砲な旅。

初の海外。初の一人旅。

バンコクからタイに入国し、10日間かけて南下。
タイの太平洋岸、マレーシアのインド洋岸を経由して、
シンガポールまでの旅でした。

決まっていたのは、行きの飛行機と帰りの飛行機。

それ以外はまったくのノープラン。
日程と距離とにらめっこしながらの一人旅でした。

そんな中、カバナという小さな海岸線の街をスタート。

タイの原風景をみたいな~と思い、37.1℃という
微熱のような温度の中、歩きました。
その距離およそ20km。
ザックを背負う背中は汗でびしょ濡れ。でもいい道でした。

着いたのはチュンポーンという比較的周辺では大きな駅。

その手前で、やっと街に入ったな~って頃。
道ばたにベンチがありました。

「暑い~つかれた~」って思って腰を降ろしたところ、
こんなところにいる旅人が珍しかったのでしょう。
子どもたちが5人駆け寄ってきました。

振り返るとそこは学校。

どうやら、お昼休み中だったようで、ベンチに腰掛けた僕に
おそるおそる寄ってきてくれました。

「ニポーニポー!!」(日本人だ日本人だ!)
という声だけ聞き取れたので、
「イエース!アイム、ニポー!!」なーーんて決めポーズを
決めてみたら、大笑いしてくれました。

5人の子どもたちは、はにかみながら近寄ってくれました。
そのうちの一人の女の子が、アメリカ人とのハーフだという
ことで、英語を話せたので、なんとかかんとか彼女に
通訳をしてもらいながら、話をすることができました。

そんな中で、僕は彼らに「折り紙」を披露してあげました。

ただの四角い紙が、鶴や紙飛行機やお花になる。
彼らにしてみたら、マジシャンのように見えたようです。

本当に純粋な顔で目をキラキラさせて。

僕はその場で「青空折り紙教室」を開き、紙飛行機の折り方を
教えてあげました。

タイの子どもたちにとっては経験のないこと。
四角を対角線に折って、三角にすることもままならないような
手つきでしたがなんとか教えてあげました。

そんな楽しい数十分の時間を過ごして、お昼休み時間が
終わったのでしょう、先生が呼びに来て部屋に帰っていきました。

その彼らが去る前に、「一枚撮らせてよ」って撮った写真がこれです。

当時はフイルムカメラ。

日本に帰り、現像してあがってきたときに、思わず声をあげてしまいました。

今まで色々な子どもたちの笑顔を見てきたけど、
こんな素敵な笑顔をみることができたのは初めてでした。

子どもたちと僕の関係が。
たった数十分のたどたどしいやりとりだったけれど、
彼らが僕に対して心を開いてくれつつも、ちょっと恥ずかしい。。
そんな雰囲気がまるごと写し、撮れた写真だと思っています。

いつか必ず叶えたいこと。

それは、これよりいい写真を撮れる日が来ること。

そして、この写真を5人の子どもたちに渡すこと。
いつか実現したらどんなに嬉しいことでしょう。

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コメント

>はなびさん
お久しぶり!元気にがんばってますかー?
素敵なお言葉ありがとう。
尊敬に値する人間になりたいものです。

投稿: Gacha | 2010-01-31 15:47

本当に すごくいい笑顔たち。

純粋な子供たちに
こんないい笑顔をさせることができるのは凄い。
がちゃのそういうところ、尊敬するヨ。

投稿: はなび | 2010-01-28 23:49

>だむ子さん
どうもありがとう。
Gachaが引き出したというより、僕と彼らの
間にあった空気感をそのまま撮れた感覚です。
それにしても、だむ子はバックパッカー似合いすぎです。
海外は難しいにしてもご一緒したいものだ。

投稿: Gacha | 2010-01-25 07:02

本当に素敵な写真!
がちゃが引き出した笑顔ですね。

私も航空券だけ取っての初バックパッカーの旅はタイでした。
しかもチュンポンにも行ったので、思わず嬉しくなってしましいた♪

夢叶えてくださいねー

投稿: だむこ | 2010-01-24 19:02

>かーすけさん
こんにちは。ごぶさたしています。
そうですね。この写真は「おとな未満の写真展」に
出させて頂いた写真でした。
あの時のボードのまま、まだ家に飾ってあります。
masunも書いてくれましたが、あの国はどうしてあんなに
豊かに見えるのだろうと思ってしまいます。
ご飯とおかずを箸で食べ。
母国でしか通用しない言語があり、侵略された歴史がなく
国民から崇拝されている国王がいる。
そして暖かく、シャイな人々。
何か、日本と共通するところが多いだけに、
日本が失ってしまった豊かさや暖かさが残っている
ような気がしました。
そう感じたのがもう10年前。
今、訪れたらまた違う感覚を感じるのでしょうね。
モノとカネの溢れている日本で僕たちも頑張らないと
いけませんね。自戒の念をこめて。

投稿: Gacha | 2010-01-24 10:58

初めての海外旅行がバンコクでした。

歩道橋の上で、連れにティッシュを売ろうとしつこく声をかけてきた、歳は小学校低学年くらいの女の子がいました。そのときは、通りかかりの年配の女性にたしなめられ、ちょっとしゅんとなってわれわれから離れていきました。

その後、昼食をとろうと町なかの食堂(ホールにいたスタッフはみんな子どもたち!)に入って、料理が来るのを待っていたら、店に入ってきた女の子が、連れに向かってニコッとしながら目をキラキラさせて「ハーイ♪」。みると、歩道橋の上で声をかけてきた女の子。

はっきり言って負けたと思いました。
同時に、自分の国のことを考えずにはおれませんでした。自分自身の反省もこめて。

この写真、見るの初めてじゃないんだけど、見ると、このときのエピソードが思い出されます。がんばらなきゃですね。

投稿: かーすけ | 2010-01-24 10:26

>masunさん
お久しぶりです。
最近また手話を使う機会が増えてきたので、またお逢いしたいものです。

さてコメントありがとうございます。
この旅をした時まっったく同じことを感じました。
タイでは、地域、宗教、生活レベルも様々でしたが、その差や格差を越えて皆が豊かな幸せそうな表情をしていました。
本当の意味の「豊かさ」を問われたような気がしました。
子どもに関わる仕事をしていると、子どもの笑顔を守り続けたい気持ちと、現実社会とのギャップを感じて虚しくなってしまうときもありますが、子どもたちが幸せな人生を選ぶ可能性だけは大きく広げてあげたいなと思います。

投稿: Gacha | 2010-01-23 17:32

国の豊かさと
子どもたちの笑顔は
比例すると思う

経済が豊かでも、モノが溢れても
生活が便利になろうと
子どもたちの笑顔が輝いていない国は

貧しい

投稿: masun | 2010-01-23 16:31

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